三重県内で産出した茶で、産地は鈴鹿山麓(北勢地域)と台高山脈(南勢地域)に分かれる。平安時代に僧侶の玄庵が北勢地域に茶の木を植えたのが始まりとされる。室町時代から江戸時代にかけて、伊勢商人によって日本中に広まった。
三重県はお茶の栽培面積、生産量、生産額のいずれも静岡県、鹿児島県に次いで全国3位だが、静岡茶や宇治茶の材料となることが多かった。そこで伊勢茶としてのブランド確立に力を入れている。
伊勢茶の特徴は鈴鹿山麓で特に多く取り入れられている、かぶせの手法。収穫前の十数日間、茶樹に黒い覆いをかぶせて日光をさえぎることで、茶葉にテアニンというアミノ酸の含有率が高まり、甘味とうまみが増して色が鮮やかになる。かぶせの期間がさらに長いものが玉露。三重県全体の生産量の約3割がかぶせ茶で生産量は日本で最も多い。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2012年11月11日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

第116回伊勢茶
2012年11月12日更新
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