鶏ガラや牛すじのだしと濃口しょうゆをつぎ足しながら煮込むために、真っ黒になったつゆに入っているが、色の割につゆの味は濃くない。黒はんぺんや牛すじ、こんにゃくなどすべての具に竹串が刺してあるのも特徴で、青のりが混ざっただし粉(イワシの削り節の粉)をかけて食べる。ちなみに黒はんぺんとは魚の骨ごとすり潰して作った半円形の練り製品で、静岡では好んで食べられている。
もともとは駄菓子屋で子供のおやつとして一年中販売されていた。そば屋や居酒屋などで、大鍋に入ったおでんをお客が好きなだけ取って食べるような現在のスタイル(串の数で勘定する)として定着した。葵区にはおでん屋が20店ほど軒を連ねる「おでん横丁」があり、静岡おでんの普及・PRを担う「静岡おでんの会」では「おでん五箇条」を定めている。なお、地元では「しぞーかおでん」と呼ばれている。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第175回 静岡おでん
2014年01月27日更新
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