今年、5月に開業した東京スカイツリーがある墨田区が観光意欲度をはじめ、魅力度などの他の項目も上昇する結果に。最も魅力的な市区町村は3年連続で札幌市、都道府県では4年連続で北海道が1位----全国1047の自治体を対象に行った「地域ブランド調査2012」でこのような結果が出ました。
この調査は株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、社長:田中章雄)が国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全72項目からなる調査を実施したもので、今年で7回目の実施(年1回実施)。全国の消費者3万375人から回答を得ました。
その結果、今年5月に開業した東京スカイツリーがある墨田区は、観光意欲度をはじめ魅力度など他の項目も上昇しています。また、墨田区周辺の区の観光意欲度も総じて上昇しています。一方で、東日本大震災被災地域は観光意欲度がまだ十分に回復していないという結果が見えてきました。
また、全国で最も魅力的な市区町村は3年連続で札幌市となりました。回答者の84.9%が札幌市を「魅力的」だと回答しています。続く2位は京都市で、2007年以来5年振りの2位に返り咲いています。47都道府県に対する評価の結果は、1位が北海道で4年連続1位となりました(都道府県のランキングについては2009年より実施)。
調査結果は以下の通り。
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◆市区町村の魅力度ランキング
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<調査結果の特徴① ~東京スカイツリーオープンの影響~>
■スカイツリーのお膝元・墨田区の魅力度、情報接触度、観光意欲度ともに上昇
今年5月に開業した東京スカイツリー周辺について、各区の結果を分析した。その結果、東京スカイツリーのある墨田区では、情報接触度が27位(前年76位)、魅力度が140位(同194位)、観光意欲度が143位(同246位)と各順位が大きく上昇している。墨田区の隣で上野動物園のある台東区では、情報接触度が80位(前年61位)に低下しているものの、魅力度が146位(同151位)、観光意欲度が154位(同203位)と上昇している。その他の周辺区(中央区、江東区、江戸川区)も、観光意欲度が上昇する傾向を示していた。
しかしながら、東京都の結果を分析すると、魅力度が4位(前年4位)、観光意欲度5位(同5位)と大きな変動は見られなかった。
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<調査結果の特徴② ~依然影響が色濃い東日本大震災、再稼動に揺れる原発立地地域の結果~>
■三陸三県を中心に依然高い情報接触度。観光意欲に影響残る。
東日本大震災の被災地域のうち、太平洋に接する東日本6県の調査結果を震災前後となる2012年と2010年の結果で比較した。
情報接触度をみると、岩手県、宮城県、福島県の三陸三県は、震災直後の2011年結果と比較すると点数は低下しているものの、震災前の2010年結果と比較すると3県とも20点以上高くなっている。特に原発問題も抱える福島県は44.2点も高くなっている。一方で青森県や千葉県も2011年調査時は大きく点数を上げたものの、2012年には点数が下がり、2010年と比較して3点程度の上昇になっている。
他方、観光意欲度では宮城県と福島県が2010年結果よりもそれぞれ6.3点、5.9点と依然として5点以上低くなっている。一方で、同じ三陸でも岩手県はマイナス1.0点と震災前の2010年とほぼ変わらない結果になっている。また、茨城県は2010年から継続して観光意欲度が上昇傾向にある。
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■情報接触度が急上昇の原発再稼動問題地域
原子力発電所の再稼動問題で大きく報道された泊原発、大飯原発がそれぞれ立地する泊村(北海道)とおおい町(福井県)は情報接触度が大幅に上昇した。泊村は6.9点から14.9点と8.0点上昇し364位(前年667位)に。またおおい町は2.2点から26.0点と23.8点の大幅上昇で170位(同967位)になっている。
ただし、観光意欲度については両町村とも微減傾向。また、福井県の居住意欲度は4.9点(40位)から3.2点(46位)へと低下している。
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<調査結果の特徴③ ~スコアを伸ばした自治体~>
■伸び率の高い自治体/都道府県では長野県、市区町村では石垣市
2009年と2012年の魅力度点数の差から4年間で最も魅力度を高めた自治体を明らかにした。その結果、都道府県では長野県が23.6点(11位)から27.8点(7位)、石川県が17.4点(17位)から21.5点(13位)、秋田県が15.6点(20位)から19.7点(16位)に点数、順位を上げる結果となった。長野県は、「魅力的な温泉やレジャー施設・公園などがある」や「海・山・川・湖などの自然が豊か」、「魅力的な美術館・博物館がある」といった項目において評価が高く、観光意欲度も年々高まっている。続いて石川県は、「優れた伝統的技術がある」や「泊まりたい宿泊施設がある」といった項目で上位となっている。秋田県は、「海・山・川・湖などの自然が豊か」や「魅力的な伝統芸能、祭り、イベントがある」、「食事がおいしい」といった項目で上位に位置付けている。
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市区町村では、石垣市が17位から10位、東松島市が554位から246位、南富良野町が117位から50位に順位を上げる結果となった。石垣市は、年々情報接触度、観光意欲度が高まっており、今回初の全国順位ベスト10入りを果たした。2005年に合併で誕生した東松島市は、東日本大震災により、地域資源が再発見され、魅力度の高まりにつながっている。南富良野町は、環境や観光・レジャーイメージが強く、観光意欲度も年々高まっている。平泉町は、2011年に「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」として世界遺産登録されたことによって、魅力度を大きく高めた。境港市は、水木しげるロードや鬼太郎列車などの取り組みを継続的に行ってきており、それらが評価されつつあるようだ。
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<調査概要>
・調査方法 インターネット調査
・回答者 20代~60代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・有効回収数 30,375人(1人の回答者は20の地域について回答。したがって、地域ごとの回答者数は平均で573人)
・調査対象 全国1000の市区町村(全787市+東京23区+190町村)と47都道府県
・調査時期 2012年7月3日~7月19日
・調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など16項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など16項目および訪問率)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)、まちのイメージ(「歴史・文化のまち」など16項目およびイメージ想起率)、産品購入意欲(食品、非食品をそれぞれ自由記述)…計72項目
<調査報告書について>
1000市区町村と47都道府県の全72項目に関するデータをまとめた「総合報告書」(税込78,000円)と、希望する1自治体の結果を表やグラフで分析し、さらに回答者属性別(年齢、居住地、ライフスタイルなど)の結果を分析した「個別報告書」を発売します(税込48,000円。総合報告書とのセットでは特別価格税込98,000円、全1047自治体の完全データパックは498,000円)。また、1047自治体の結果に関し、8つの主要指標(認知度、魅力度、情報接触度、居住意欲度、観光意欲度、産品購入意欲度<総合、食品、食品以外>)に内容を絞った「ハンドブック」(税込3,800円)も出版します。
<ブランド総合研究所の会社概要>
ブランド総合研究所は、地域ブランドに関する調査とコンサルティングを行う専門企業です。代表取締役社長の田中章雄は地域ブランドの提唱者として全国各地で地域ブランドに関する講演を行っているほか、地域ブランドアドバイザーとして弊社コンサルタントスタッフと総力をあげて、全国各地の地域の活性化に取り組んでいます。また、2011年からはギネス・ワールド・レコーズ(TM)と業務提携し、ギネス世界記録を活用した地域活性化を推進しています。
・本 社 東京都港区虎ノ門1-8-5
・代表取締役 田中章雄
・資本金 2500万円
・設 立 2005年11月
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<問合せ先(メディアおよび読者とも)>
株式会社ブランド総合研究所 (担当.安田、轟)
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
E-mail: survey2012@tiiki.jp
Homepage: http://tiiki.jp