全国で最も魅力的な都道府県は北海道となりました。北海道は2009年に都道府県を調査対象に加えて以来10年連続での1位という結果となりました。市区町村は函館市が50.0点で2016年以来5度目の1位となりました。2位は前年1位の京都市、3位は前年に引き続き札幌市という結果となりました。
北海道に対して“魅力的”と回答した割合は79.9%で、回答者の約8割が同地域に対して魅力を感じると回答。北海道は魅力度以外の指標でも観光意欲度や産品購入意欲のうち食品想起率、地域資源評価項目「海・山・川・湖などの自然が豊か」などでも10年連続で1位となっています。ただし、10年前の2009年の結果と比較すると、都道府県の魅力度上位の顔ぶれはほぼ変わりませんが、魅力度の点差は縮まる傾向にあることが分かりました。
本調査は株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役:田中章雄)が国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全84項目からなる「地域ブランド調査2018」によるもので、今年で13回目の実施(年1回実施)。全国の消費者30,024人から有効回答を得ました。
調査結果速報(PDFファイル)はこちらからダウンロードできます。
第13回地域ブランド調査2018ニュースリリース(PDF716KB)
■魅力的な地域・都道府県は10年連続で北海道
2018年、都道府県で最も魅力的と評価されたのは59.7点で北海道となった。北海道は都道府県が調査対象に加わった2009年から10年連続で1位となっている。北海道は魅力度のほか、観光意欲度や産品購入意欲のうち食品想起率、地域資源評価項目「海・山・川・湖などの自然が豊か」などでも10年連続で1位となっている。
2位は京都府で52.2点。京都府も居住意欲度(2位)、観光意欲度(2位)のほか歴史に関連するイメージ項目などで高い評価を得ている。3位は東京都で41.9点、4位は沖縄県で41.2点となっており、2015年以降4年連続で上位4位の順位に変動はない。
上位9位までは前年の結果と変化がなかったが、10位には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が今年7月に世界文化遺産に登録が決まった長崎県が浮上。ただし、長崎県は軍艦島などの「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録された2015年の5位と比べると、順位の伸びは小さかった。代わって北陸新幹線の開通により2009年より上昇傾向にあり、2016年に最高位の9位に躍進した石川県が11位に順位を下げている。
【都道府県魅力度ランキング上位の10年間推移】※2015年結果は年代70代も含めた結果
■上位県の魅力度低下。10年間で縮まる点差
2009年と2018年の魅力度点数を比較すると、上昇した地域は38県、低下したのは9都道府県となった。特に沖縄県(マイナス12.1ポイント)や北海道(9.2ポイント)など、魅力度で上位にある地域の点数低下が顕著となっている。この10年間、上位の地域に変化はないが、都道府県の魅力度の差は縮まる傾向にある。
その中で、この10年で最も点数を伸ばしたのは2015年に北陸新幹線が延伸開通した石川県で2009年の17.4点(17位)から、2018年の25.7点(11位)と8.3ポイント上昇している。同県はこの10年間で「旅やグルメに関するテレビ番組」などの情報接触率が高まっており、観光意欲度の上昇幅も47都道府県で最も大きくなっている。
次いで点数を伸ばしたのは広島県。同県は2009年の12.9点(27位)から2018年は20.2点(17位)と7.3ポイント上昇している。イメージ想起「スポーツのまち」や地域資源評価「歴史的建造物」などの評価が高まっている。3位の愛知県は2018年に魅力度が大きく上昇。地域資源評価「魅力的な温泉やレジャー施設・公園などがある」なども上昇している。それら結果が魅力度の他、観光意欲度などの上昇にもつながっているものと考えられる。
【10年間での魅力度の伸びランキング】
■県名よりも県内市区町村名の魅力度が高い地域が多数
2018年の都道府県の魅力度と、各都道府県内の魅力度最上位の市区町村結果を比較したところ、市区町村の魅力度の方が高いのは36県と、多くの県で広域の県名よりも、より範囲の狭い市区町村名を魅力的と評価する傾向がある。
都道府県の方が高いのは8都道府県となっている。都道府県の魅力度上位4都道府県はいずれも県の魅力度の方が市区町村の結果を上回っている。東京都は都の魅力度が41.9点なのに対して、都内で最も魅力度の高い市区町村は新宿区で29.5点(20位)と12.4ポイント差となっている。北海道は函館市が50.0点に対し、北海道は59.7点と9.7ポイントも高い。こうした都道府県には複数の魅力的な市区町村が存在することが特徴として挙げられる。
一方で、県よりも市の魅力度が高い傾向が顕著だったのは栃木県で、日光市の魅力度34.3点との差は23.0ポイントとなっている。兵庫県は神戸市の41.5点より16.8ポイントも低い。これらの県は、県内の高いイメージ・評価の市区町村や地域資源が県のイメージとしては想起されていないことなどが考えられる。
【上:県の魅力度が市を上回っている地域、下:市の魅力度が県を上回っている地域】
■市区町村では函館市が2年ぶり5度目の1位
市区町村の結果では、函館市が50.0点で1位となった。函館市は2016年以来5度目の魅力度1位となっている。同市は観光意欲度で1位、産品購入意欲度で2位となっている。2位は前年1位の京都市で48.1点。3位は札幌市で46.8点と続いている。
前年から点数を伸ばした地域は、各地方の中核をなす大都市で魅力度が上昇する傾向が前年に引き続きみられた。名古屋市は33.9点(12位)で前年よりも7.4ポイント、大阪市は28.3点(21位)で同じく6.9ポイント上昇している。広島市は27.8点(23位)で5.1ポイント上昇。3市は町村も調査対象に加わった2007年以降の各市の最高位を更新している。
【前年から魅力度を上げた市区町村結果】※()内は2017年結果
<調査内容>
「地域ブランド調査2018」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第13回目。調査対象は全791市(2018年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な186の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全84項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。
<調査概要>
調査方法 インターネット調査
回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
有効回収数 30,024人(1人の回答者は20の地域について回答。したがって、地域ごとの回答者数は平均で566人)
調査対象 全国1000の市区町村(全791市+東京23区+186町村)と47都道府県
調査時期 2018年6月25日~7月25日
調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、
情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、
地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など16項目)、
訪問経験(「行楽・観光のため」など16項目)、
地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)、
まちのイメージ(「歴史・文化のまち」など14項目およびイメージ想起率)、
産品購入意欲、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)
…計84項目
調査結果速報(PDFファイル)はこちらからダウンロードできます。
第13回地域ブランド調査2018ニュースリリース(PDF716KB)
【関連ページ】
地域ブランド調査2018特設HPトップページはこちらから
同、ニュースリリースはこちらから
同、47都道府県ランキングデータはこちらから
同、上位100市区町村ランキングデータはこちらから
同、調査報告書のお申込みはこちらから
<問合せ先(メディアおよび読者とも)>
株式会社ブランド総合研究所 (担当.安田)
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
E-mail: survey2018@tiiki.jp
地域ブランド調査2018~最も魅力的な都道府県は10年連続で北海道~
2019年08月06日更新
全国で最も魅力的な都道府県は北海道となりました。北海道は2009年に都道府県を調査対象に加えて以来10年連続での1位という結果となりました。市区町村は函館市が50.0点で2016年以来5度目の1位となりました。2位は前年1位の京都市、3位は前年に引き続き札幌市という結果となりました。
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