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20年間で地域の魅力はどう変わったか? ~「地域ブランド調査」の20年間の結果を分析!

20年間で地域の魅力はどう変わったか? ~「地域ブランド調査」の20年間の結果を分析!

「都道府県魅力度ランキング」で知られる「地域ブランド調査2025」は今年が20回目。「地域ブランド元年」である2005年に企画・設計し、翌2006年に第1回目の調査を開始してから、20年間で地域ブランドの考え方や、各地での取り組みは大きく変わった。

地域ブランド調査は、「平成の大合併」と言われた市町村の大合併がピークとなった2005年に企画・設計を始めました。

バブル経済が始まった1980年代後半には全国で3500もあった市町村が、2005年には1727と半減しています。
その主な原因のひとつは、バブル経済が崩壊したときに、日本経済をけん引してきた大手製造業の各社が収益性を回復するために製造拠点を人件費の安い海外に移転したことです。
その結果、全国各地の工場が閉鎖に追い込まれてしまい、産業の空洞化は各地の雇用や経済性の低下を引き起こし、少子高齢化や市街地の疲弊化をより深刻なものとしてしまいました。

こうした状況を打破しようと、弊社が提唱したのが「地域ブランド」への取組。これは、地域にある自然や歴史、文化、食などの「地域資源」を活用し、全国から「ヒト・モノ・カネ」を呼び込み、地域活性化につなげようというものです。

戦略を立案するには、状況判断のための調査は不可欠です。地域の特徴や課題を明確になれば、特徴を生かす取り組みと、課題を解決する取り組みを行うことで、地域活性化につながります。
こうした地域の特徴や課題を数値化するために設計したのが「地域ブランド調査」なのです。

この調査では、地域のブランド力、すなわち「魅力度」を数値化することと、「ヒト・モノ・カネ」につながる「居住意欲度」、「観光意欲度」、「商品購買意欲」、そしてそのベースとなる「認知度」、「情報接触度」を算出しています。
さらに、それらの具体的な要因である「地域資源の評価」、「地域イメージ」、「地域特性」、「情報接触経路」、「地域コンテンツの認知度」などについての設問も加えました。

1年間の設計・準備を経て、2006年には779の市を対象に第1回目の「地域ブランド調査2006」を実施。翌2007年には東京特別区と一部の町村も加えた1000市区町村を対象に実施、2009年からは47都道府県も対象として毎年実施をしてきました。そして今回が20回目となります。

そこで、ここではこの20年間の結果から、日本における地域ブランドの動向を分析してみます。

地域ブランド調査2025 調査特設サイト
  ~調査概要、調査データ、報告書、過去の調査結果 などの一覧

ニュースリリース(結果速報)
・魅力度上位の順位に変動・東京下落。函館市は2年連続1位
  ~都道府県は神奈川県が初めて東京上回る~

1000市町村の魅力度平均の推移と、地域ブランドのフェーズ

1000市区町村の魅力度の平均を、年度別に比較したところ、地域活性化に大きな影響を及ぼした出来事を境として、上図のように5つのフェーズに分けることができることがわかりました。

黎明期(2010年まで)
地域ブランドへの取り組みが始まった時期。
「関アジ関サバ」、「夕張メロン」などの地域の特産品のブランド化や、「富士宮やきそば」や「八戸せんべい汁」などのご当地グルメのほか、「黒壁スクエア」、「伊賀の里モクモク手づくりファーム」、「小布施のまちづくり」、「「ごっくん馬路村」など、地域での成功事例を参考として、全国の多くの地域で取り組みが始まりました。

それらの取組を後押しすべく、地域団体商標、ジャパンブランド支援事業、地域資源活性化事業などが開始となりました。

地域ブランド調査の魅力度の1000市区町村の平均点は7点前後で推移していますが、回答者の年代別では20代と30代は5.5点、40代は6点、50代は8点、60代以上は10点前後と年代が高いほど高くなっていることから、地域の魅力は年代の高い人に強く伝わっていた(評価されていた)と言えるようです。

復興期(2011年~2014年)
そうした中で2011年に東日本大震災が発生。
全国各地では「東北を応援しよう」というキャンペーンやイベントが多く展開されました。公園や広場、駐車場などで「地域マルシェ」が開催されたり、商店街や大規模店で「東北フェア」が実施されたりしました。
それまで、「地域ブランド」とは地域の特徴的な商品やサービスで地域活性化につなげるという取り組みが中心だったのが、応援することで地域活性化につなげようという流れが始まったのです。

魅力度の平均点は、2011年には7.6点と前年より大幅に上昇しました。しかし「復興」への意欲は年々低下するもので、その後は徐々に低下し、2015年には6.1点となってしましました。

20、30代の魅力度が急上昇!

地方創生期(2015年~2019年)
各地の人口予測から、多くの自治体が消滅の危機にあることが判明し、2014年に「まち・ひと・しごと創生法」が設定され、「地方創生」への取り組みが本格化しました(現在は「地域創生」に変更)。
これは、若年層に地域への魅力を伝え、移住や交流人口拡大につなげようという取り組み。地域おこし協力隊が急増したのもこの時期です。
2013年には1000人だったのが、2014年には1500人、2015年には2600人へと急増。その後も増加を続け、2018年には5500人となりました。

魅力度の平均点は2015年から年々急上昇します。2019年には9.0点となり、2015年の6.1のおよそ1.5倍になりました。特に、謙虚なのは年代別による魅力度で、2015年から若年層の魅力度が急上昇しています。
20代は2015年には5.9点だったのが、毎年1点前後の上昇となり、2019年には10.2点に達し、全世代の中で最も高くなりました。
30代は2015年の5.4点(全世代で最低)から、2019年には9.8点に。20代に次いで高くなっています。
一方で60代は2015年の7.2点から2019年は8.8点と20代や30代と比べると増加率は低くなっています。それでもこの期間で40代以上も確実に上昇しており、地方創生への取り組みは若年層以外にも効果があったことがわかります。

コロナ期(2020年~2022年)
2019年末に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、消費者の観光や外出などの行動が制限され、地域ブランドへの影響も甚大なものとなりました。

特に、各地の観光集客につながっていた祭やイベントが相次いで中止となり、都市圏における地域イベントや物産展も開催が見送られました。

コロナ禍でデジタルの需要が急拡大。SNSや動画などで魅力を積極手に発信した地域の魅力度やイメージが向上した一方で、その対策が遅れた地域は低迷したままであると明暗を分けています。
なお、コロナ禍途中で「GoToトラベル」や「全国旅行支援」とともに、「地域クーポン」が発行され、地域の観光意欲拡大につながるとともに、ホームページなどによる観光情報のニーズがかなり高まった時期でもありました。

魅力度の点数は、2020年の9.2点から2022年には11.2点へと2点もの上昇となりました。これは都市圏などの「密」が「悪」とされる一方で、自然の豊かな地域の魅力が見直されたことによります。また、デジタル化の普及でワ―ケーションや二拠点居住などへのニーズも高まったことが要因と思われます。
また、旅行制限が行われている一方で、デジタル情報などによる観光意欲が高まったことも、地域の魅力を再認識する機会になったようです。

新フェーズ(2023年~)
コロナ禍明けとなった2023年以降は魅力度の点数が横ばいとなっています。2023年の11.2点は24年まではやや低下し、2025年には上昇しています。

年代別に分析すると、40代以上が23年以降はほぼ変更していない一方で、20代と30代は204年までは低下した後、今回の2025年にはいずれも上昇しています。
つまり、個のフェーズでは若年層とそれ以外では地域に対する評価の要因や、地域へのニーズが異なっている可能性があります。

今後、各地で地域活性化に取り組むにあたって、2つの異なるターゲットに対しては、それぞれ異なるニーズに対しての分析を行い、効果的な戦略や情報発信につなげていくことが重要でしょう。

調査概要

「地域ブランド調査2025」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が20回目。調査対象は全792市(2025年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村と、47都道府県に対して魅力度など計90項目を数値化した。

・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図となるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した。
・ 有効回収数 33,449人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20市区町村、都道府県は11 または12都道府県を提示し、それぞれについて回答してもらった。
・ 調査対象 : 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 : 2025年6月24日~7月9日
・ 調査項目 : 以下の計90項目(各地域の調査結果を数値化した項目数)
   基本指標:認知度、魅力度
   行動指標:情報接触度、観光意欲度、居住意欲度、産品想起率(食品想起率、非食品想起率)
   説明指標:情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)
        地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)
        訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)
        地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など18項目)
        地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)
        地域イメージ(「あこがれる」など14項目)  

調査報告書について

総合報告書: 88,000円(税込)
  1000市区町村および47都道府県の全90項目に関するデータをランキングおよび一覧表形式でまとめ、総合的な分析を加えたもの
  構成は各項目の上位ランキング結果とその考察、そして調査結果の集計結果一覧表を収録。
  付属のCD-Rには、総合報告書のPDFと、集計結果一覧表のExcelデータを収録しており、データを加工してお客様が作られるレポート等にご活用いただけます。
  形態: A4判 約200頁
  データCD: 冊子内容のPDFと、Excel上で全項目で並び替えが可能なランキング表を収録。

個別報告書: 55,000円(税込)
  一つの地域の調査結果について深く掘り下げまとめた報告書。
  ご希望の市区町村・都道府県について、以下の内容を表やグラフで分析しています。
  ・全90項目の結果について3年間の結果および4年分のグラフを収録
  ・回答者属性(年齢、居住地、ライフスタイルなど)によるクロス集計表(当年分のみ) 
  ・自由意見のまとめ(購入したい具体的な食品名、産品(非食品)名、訪れたい
  形態: A4判 約10頁/ファイリング
  注意: ※過去の調査対象ではない場合、該当する年度データは未収録となっております。
      ※複数の自治体を希望される場合は、1自治体あたり20,000円(税別)追加となります。
      ※グラフ上は過去4年分、回答者割合は過去3年分を掲載しています。

総合報告書・個別報告書のセット: 特別価格:110,000円(税込)
ハンドブック: 税込4,400 円
  1047地域の結果に関し、8つの主要指標(認知度、魅力度、情報接触度、居住意欲度、観光意欲度、産品想起率(総合、食品、食品以外))に内容を絞った冊子

10年データベース(2016-2025): 55,000円(税込)
  地域ブランド調査2025で調査対象の1047地域、90項目の10年間(2016年~2025年)の結果推移が分かるデータベース
  ご覧になりたい自治体名、項目名を選択していただくと、該当データの10年間の点数・順位が分かります
  ※総合報告書(総合・個別報告書セット含む)、データパック購入者に限ります

  注意:※自治体、項目によっては調査対象に含まれない年次のデータは表示されません。
     ※一部項目は調査項目として設定された年からのデータのみ収録しております。
     ※実施年によって調査項目数は異なります。

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調査結果
都道府県魅力度ランキング
市区町村魅力度ランキング

結果の分析
20年間で地域の魅力はどう変わったか?
  ~「地域ブランド調査」の20年間の結果を分析!

都道府県の魅力度分析!1位~5位
  ~北海道、京都府、沖縄県、神奈川県、東京都
都道府県の魅力度分析!43位~47位
  ~山口県、鳥取県、佐賀県、茨城県、埼玉県
・都道府県の魅力度分析! 6位~10位・・・近日公開予定!
  ~福岡県、長野県、大阪府、奈良県、兵庫県
・都道府県の魅力度分析! 11位~15位・・・近日公開予定!
  ~長崎県、静岡県、石川県、広島県、宮城県
・都道府県の魅力度分析! 16位~20位・・・近日公開予定!
  ~愛知県、鹿児島県、千葉県、熊本県、富山県
・都道府県の魅力度分析! 21位~25位・・・近日公開予定!
  ~青森県、山梨県、三重県、秋田県、大分県
・都道府県の魅力度分析! 26位~30位・・・近日公開予定!
  ~山形県、香川県、新潟県、和歌山県、宮崎県
・都道府県の魅力度分析! 31位~34位・・・近日公開予定!
  ~岩手県、愛媛県、福島県、岐阜県、高知県
・都道府県の魅力度分析! 36位~42位・・・近日公開予定!
  ~福井県、滋賀県、岡山県、栃木県、群馬県、徳島県、島根県

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